AFCチャンピオンズリーグ2009第1戦:蔚山現代vs名古屋グランパス

最終更新日時

2009/03/12 12:50

AWAY GAME

蔚山ワールドカップスタジアム

試合前

Jリーグ開幕戦を、昨年、堅守を誇った大分トリニータをホーム・豊田スタジアムに迎え撃ち、見事3-2で完勝した、我らが名古屋グランパス。

そして今日は、いよいよクラブ初挑戦となるAFCチャンピオンズリーグ第1戦へと臨む。会場は韓国・蔚山ワールドカップスタジアム。対戦相手は、Kリーグ強豪・蔚山現代ホランイだ。国内リーグでは常に上位を維持し、アジアでは常連のチームのひとつ。韓国らしい、激しくアグレッシブなプレーを見せるチームとして定評がある。

しかし、ストイコビッチ監督はいつも通り「相手がどこでも関係ない。勝つために自分たちのサッカーを、攻撃的で美しいサッカーを見せたい。」と、相手の事など意に介す様子を見せることなく、公式会見で自信に満ちた言葉を述べてくれた。前日の公式練習後のインタビューでは、「まずはこの大会を楽しみたいです」(小川)と、選手達もリラックスしてこの試合に臨んでいることを伺わせてくれてた。

リーグ開幕初戦を、大分に逆転勝ちしてこの試合に臨めることは、選手達のメンタル面に与えた影響は大きいだろう。「開幕戦に勝ててここに来ていることが大事」(玉田)と練習後に笑顔で語ってくれた。対戦相手の蔚山は、この試合が今年最初の公式戦ということもあり、先に国内での勝利で気持ち良くこの第1戦を迎える名古屋には、少し優位と言えそうだ。

リーグ初戦から中2日とコンディション面では少し不安材料が残ってはいるものの、ダヴィが2ゴール、玉田1ゴールと、決めるべく人がしっかりと決めた事で、チームの雰囲気も盛り上がったところでのこの蔚山現代戦。当然、"アウェイの洗礼"は予想されるが、平日の夜の開催ということもあり、ともすれば日本から遠路はるばる駆けつけてくれたサポーターが、地元サポーターと互角の応援合戦を繰り広げてくれそうな、嬉しい情報も聞こえてきている。

今シーズンのリーグ制覇を目指し、そして、AFCチャンピオンズリーグを躍進していくためにも、この蔚山との初戦、まずは名古屋らしいサッカーを見せ、そしてしっかりと制して、その名をアジアに知らしめたいところだ。

前半

グランパスにとって2000-2001シーズンに行われたアジア・カップウィナーズ・カップ以来8年ぶりの国際舞台となるAFCチャンピオンズリーグ2009。初戦の舞台はアウェイ韓国、昨年のKリーグ3位である蔚山現代との対戦となる。
日本から約200人のサポーターが駆けつけ、聞き慣れたチャントが響くなか選手達がピッチへと姿を現す。

今日の名古屋はゴールキーパーに楢崎。ディフェンスラインは左から佐藤、増川、吉田、田中の4人。中盤にはマギヌン、吉村、中村、小川の4人がフラットに並び、先日行われたJリーグ開幕戦で揃ってのゴールを決めた玉田とダヴィの2トップで挑む。

右にエンドを取った名古屋のボールでキックオフ。

開始早々マギヌンのトリックプレーで佐藤が左サイドを抜け出すと、中央へ低いクロスを上げる。このボールを玉田が左足でダイレクトに狙うが上手くヒット出来ず。されにこぼれ球に吉村が詰めミドルシュートを放つが、これは枠の右へ外れる。
2分、味方のバックパスを受けた楢崎が蹴ったボールは相手7番の足下へ。危険な位置で相手にボールを持たれるが、中村が素早く寄せてボールを取り返す。
3分、ゴール前30mの位置から蔚山6番にループ気味のシュートを狙われるが、ここは楢崎が落ち着いてキャッチ。
4分、ダヴィが倒され得たフリーキック。増川がゴール前へ上げるとこのボールにダヴィが詰めるが、届かず相手GKにキャッチされてしまう。
5分、相手ゴール前左の位置で得たFK。小川がゴール前へ上げるとファーサイドから切れ込んで来た増川が頭であわせるが、枠の左へと外れる。
7分、グランパス右サイドから蔚山のスローイン。13番の選手が驚異的なロングスローで名古屋ゴール前まで放り込んでくるが、吉田が頭でクリア。
9分、左サイドを上がった佐藤からの縦パスをカットされると、蔚山一気のカウンター。左サイドをつかれ22番に右足で強烈なシュートを打たれるが、楢崎が枠の外へと弾き出す。
11分、自陣からのロングボール、蔚山DFとの駆け引きで抜け出した玉田。左足のアウトサイドにかけて枠を狙うが、相手GKにキャッチされてしまう。
13分、右サイド田中からのクリアボールをハーフライン付近で受けたダヴィがターンして前へ狙うが、相手DFに倒される。
14分、エリア手前でボールを持ったダヴィが玉田へとパスを狙うが、相手DFがクリア。しかしこのボールに詰めた吉村が左足で強烈なミドルシュートを放つ。このボールはしっかり枠を捉えていたが、相手GKの好セーブに阻まれてしまう。

「国際大会でもスタイルは変えない」ストイコビッチ監督の言葉どおり、開始早々から素早いプレスとピッチを幅いっぱいに使ったサイド攻撃で攻めるグランパス。それに対しフィジカルをベースとした強い守備と、そこからのカウンターを狙う蔚山という構図となった序盤。特に前線でボールを受けるダヴィへのマークは厳しく、すぐに2人以上でのチェックをかけられ前へ運ぶ事ができない。

16分、左サイドを深くえぐった佐藤が中央へクロスを上げる。このボールにファーサイドで玉田と小川が詰めるが、間に入った蔚山GKにキャッチされる。
17分、右サイドからのボールを受けた蔚山7番に、エリア内で増川が交わされ、右足でシュートを打たれるが、枠の外へ。
22分、中央でカットした中村からのボールをマギヌンが受けると、一気のカウンター。右に流れたダヴィがさらにボールを受け、右足でシュートを放つが、相手DFに当たり跳ね返されてしまう。
23分、敵陣ゴール前中央でボールを拾った玉田。得意の左足でミドルを打つが、枠の上へ。

【失点】
24分、蔚山右からのCK。低く早いボールをゴール前へ上げられると、蔚山7番の頭をかすめ方向が変わったボールに詰めた22番にダイレクトで合わされ、先制ゴールを決められてしまう。
27分、名古屋左サイドでボールを競ったマギヌンがファールを取られ、嫌な位置でFKを与えてしまう。しかしゴール前へ上げられたボールは吉田が頭でクリア。
29分、蔚山ゴール前35mの位置で小川が倒されFK。増川が直接強烈なシュートを放つが、相手が作った壁に直撃し跳ね返されてしまう。

アウェイで先制ゴールを決められたグランパス。蔚山の素早いチェックと好守の切り替えの早さに驚かされるが、まだ前半30分。まずは同点に追いつきたい。

33分、自陣ゴール前でのルーズボールを蔚山22番に拾われ、右足でシュートを打たれるが、これは大きく枠の上を超える。
34分、ディフェンスラインの増川から、右サイド高い位置へポジションを取っていた田中へロングパス。これをトラップで前へ流し、サイド突破を図るが、相手DFに詰められボールはタッチラインを割る。
36分、蔚山に中盤を上がられると、長いスルーパスでエリア内を狙われるが、このボールは長くゴールラインを超える。
38分、中村、吉村と中盤で回したボールから、高いポジションを取った左サイドの佐藤へボールが渡る。ここからシザースフェイントをはさみ、得意のスピード突破を狙うが、ラインを割る。
39分、左サイドでボールを受けたダヴィが、中央へ速いクロス。これを受けたマギヌンが左足でシュートを放つ。このボールが味方に当たり相手ゴールネットを揺らすが、オフサイドの判定を取られゴールならず。
42分、中央からのパスに、ダヴィが左サイドを抜けようとするが、相手DFの執拗なマークに遭い、クリアされてしまう。
44分、中盤に下がった玉田がボールを受けると、厳しいチェックを受け足首を押さえながら倒れ込む。ひやりとするシーンだったが、そのままプレーを続け、大丈夫なようだ。
ロスタイム1、自尽深い位置でマギヌンが倒されるが、ファールは取ってもらえず。逆に足が止まった一瞬に蔚山にシュートを打たれるが枠の外へ。何が起こるかわからないアウェイでの試合、セルフジャッジによるミスや失点だけは避けたい。
そしてここで前半終了。

ポゼッションを高め素早いボール回しでゴールを狙う名古屋と、中盤での激しいプレスから速攻を狙う蔚山。お互いのスタイルがはっきりと出た前半だが、課題とされるセットプレーからの失点で1点を追う苦しい前半となった。

後半

お互いのスタイルや得点経過、さらにユニフォームの色までもが先日行われた大分とのJリーグ開幕戦を思い出させる試合展開となったACL第1戦。それならば、ハーフタイムの修正でグランパスが盛り返すゲームを期待したい。
エンドを変えた後半、右のグランパスに対し蔚山のボールでキックオフ。

蔚山1人目交代:16→14

開始早々、名古屋が左からのCKを得る。遠く韓国まできたサポーターの目の前でマギヌンが蹴ったボールは、相手GKにクリアされる。
2分、中村のパスカットから右サイドの田中、マギヌンと突破を図るが、相手DFがクリア。
3分、右サイドでマギヌンが倒されて得たFK。玉田が左足で中央へ速いボールを上げるが、これも相手DFにクリアされてしまう。
4分、自陣バイタルエリア、フリーでボールを持った蔚山6番にスルーパスを狙われるが、ゴールラインを割る。
6分、蔚山のアクンターから7番にミッドルシュートを打たれるが、増川に当たりCKへ。左からゴール前へ上げられたボールは、楢崎がしっかりとキャッチ。
7分、左サイドを相手DFと競りながら、得意の形で抜け出したダヴィ。エリア内で相手DFにボールをクリアされるが、ボールに詰めた中村が左足でシュート。しかし、これは相手GKが弾きCKへ。

【得点】
8分、左からのCKは、一旦相手DFに弾き出されるが、小川が右足で再度中央へ上げる。このボールに、セットプレーで前線へ上がっていた吉田が完全にフリーで抜け出し、頭で合わせゴーーール!試合を振り出しに戻す。
9分、相手のキックオフからボールを奪った名古屋、一気に攻め上がり右から小川がシュートを打つが、相手GKにキャッチされてしまう。
12分、蔚山右からのCK。ファーサイドの4番に頭で合わされるが、楢崎が落ち着いてキャッチ。
14分、左サイド玉田からのクロスを、ダヴィがスルー。小川が左足でダイレクトに狙うが、上手くミートする事ができず。

後半早々に追いついた名古屋。これでエンジンが掛かったのか中盤の押上から何度か好機も作れるようになった。しかし、蔚山も素早いカウンターから名古屋ゴールに迫る等、一気にゲームスピードが上がったように感じる。

16分、左サイドを抜け出した佐藤が倒され、FKを得る。これを小川が低く中央へ送るが、誰も反応できず。
18分、ディフェンスラインで田中が蹴ったボールが、相手選手に当たりルーズボールに。これに蔚山FWが詰め、ひやりとするが、楢崎が飛びだし落ち着いてクリアする。
20分、蔚山自陣から名古屋ゴール前へロングボールを放り込まれるが、田中が上手く体を当てて相手FWを止め、ゴールラインを割る。
21分、左サイドの佐藤が頭でボールを流すと、マギヌンが体を上手く使いボールをキープ。一気に前線のダヴィへとボールが回るが、ドリブルの一歩目が長く、相手GKにキャッチされてしまう。
23分、スタジアム内に聞き慣れたサポーターの「フォルツァ名古屋」コールが鳴り響く。
24分、蔚山2人目交代:22→10

25分、右サイド田中からのサイドチェンジを受けた左のマギヌン、さらにその外を回る吉村へと渡ったボールから中へとクロスを上げるが、相手GKにキャッチされてしまう。
26分、右サイドを上がった田中がドリブルから中央を狙うが、相手DFにクリアされCKに。
名古屋1、2人目交代:小川→杉本、中村→山口

27分、名古屋右からのCK。玉田が上げたボールにファーサイドの増川が頭で狙うが相手DFにクリアされる。
28分、蔚山ゴール前右、25mの位置で玉田が倒されて得たFK。そのままゴール前へ上げるとファーサイドの吉田が飛び込むが、先に相手GKがキャッチ。
29分、今後度は名古屋ゴール前右からの蔚山FK。10番に右足で強烈なシュートを打たれるが、これは枠の右へと外れる。

お互いに引き分けは考えていない、激しい試合もいよいよ残り15分。名古屋としては相手DFの裏にできるスペースを狙いたい。

31分、代わって入った杉本が左サイドを突破すると、相手DFがクリアし、CKを得る。

【得点】
32分、左からマギヌンが蹴ったコーナーキック。低く速いボールに、ニアサイドに飛び込んだ増川の影に潜んだダヴィが、頭で合わせゴーーール!期待のダヴィが決めて、この時間帯に名古屋が逆転!。
35分、蔚山10番のドリブルを、マギヌンが後ろから止め、ファールの判定。イエローカードが提示される。さらにそこからのFKを蔚山7番に頭で合わされるが、これは楢崎が正面でしっかりキャッチ。
36分、佐藤からの縦パスを受けたマギヌンが、玉田、ダヴィと左利き3人で、一気にゴール前へ攻め上がるが、素早いパスは相手DFにカットされる。
37分、名古屋ゴール前バイタルエリアでボールを受けた蔚山10番に強烈なミドルシュートを打たれるが、これも楢崎が正面でしっかりとキャッチ。
39分、蔚山、中盤からのサイドチェンジで、右の7番がエリア侵入を狙うが、田中がしっかりクリア。追いつきたい蔚山が前への圧力を強めているが、名古屋としてはここは落ち着いて対応し、カウンターを狙いたい。

【得点】
41分、ハーフラインを超えた左サイドで、ダヴィが倒されFK。これを玉田がゴール前まで上げると、ファーサイドに現れたマギヌンが、頭で飛び込みゴーーール! マギヌン自身、川崎フロンターレ時代以来のACL出場で、貴重な追加点を決めた。
43分、名古屋3人目交代:マギヌン→花井

44分、蔚山、チュバンからのロングボールは吉田が対応し、一旦奪ったボールを落ち着いてディフェンスラインへ回す。得点差を考えた時間の使い方だ。
(ロスタイム:2分)

ロスタイム2、蔚山左サイドからのクロスに10番が頭で合わせるが、これは枠の外へ。
ロスタイム3、蔚山の中盤からスルーパスを狙われるが、このボールは長く楢崎の足下へ。ここでも楢崎が時間を有効に使い、前線へ大きく蹴ったところで試合終了。

後半3点を決めたグランパスが見事な逆転勝利。自分たちのスタイルを崩さない名古屋にとってアウェイでの厳しい試合となったが、セットプレー絡みから全得点を決め、記念すべきAFCチャンピオンズリーグを勝利で飾った。


試合終了後 監督記者会見

090310_acl_sto.jpg今日の試合の目的であった、勝利を達成できたことはとても良かったと思います。良いサッカーをして勝てたことも非常に良かったと思います。全体を通してみると、前半と後半で内容が違ったものでしたが、後半の方がしっかりと試合をコントロールしていたと思いますし、良い形でプレーできていたと思います。AFCチャンピオンズリーグに初めて出場しましたが、良いスタートが出来たと思います。

Q.今日の試合は、3得点ともにセットプレーからの得点でしたが?

その通りです。3点ともにセットプレーで得点が出来たことは、とても良いニュースです。後半はしっかりとプレーできました。相手を押し込んで、我々の支配下においてプレーをしたと思います。そしてセットプレーで得点をすることが出来ました。セットプレーだけでなく、流れの中でも、ボールをネットに入れることが重要なのであって、決定力という点においてまだまだ練習をしなければいけないと思います。ただ、我々にとっては良い経験が出来たと思います。

Q.前半と後半ではチームが違っていましたが、ハーフタイムではどんな指示を?

最初の20分は良いスタートが切れたと思います。ただ得点が無く、玉田のチャンスもあったんですが、そこで決められませんでした。自分たちで少しミスを招いていたと思います。1-0で折り返したハーフタイムには「落ち着け」と指示を出しました。それから「決定力を増やすこと」、「信じること。自分たちを信じよう」と話しました。あと「必ず逆転できる」とも話しました。後半にしっかりと彼らが動けたことは、私のメッセージを選手達がしっかりと受け取ってくれたん事だと思います。

Q.開幕戦に続き、今日も得点を挙げたダヴィ選手の働きについては?

ダヴィは我々にとっては重要な選手で、相手のDFに対して脅威を与えることが出来る選手です。今日もどんな状況でも得点出来ることを証明してくれましたし、こんなスタイルを持っている選手がいることはとても嬉しいです。得点をもっともっと続けてほしいと思います。

Q.今日は、吉田・佐藤という若い選手が先発しましたが?

若手のプレーに対してはとても満足しています。竹内とバヤリッツァが怪我でプレー出来ないので吉田と佐藤を先発させましたが、彼らが(私の)望むプレーをしてくれ、とても満足しています。

最後に、サポーターの皆さんにはとても感謝しております。このような遠いところまで、長い距離を来ていただき、いつも応援をしていただきとても感謝しています。ありがとうございました。

次節試合のご紹介
モンテディオ山形

舞台はふたたびJリーグ、未体験の地・山形へ!

2009J1リーグ第2節 vs.モンテディオ山形

NDソフトスタジアム山形 3/14(土) 16:00キックオフ