7/5(水):練習試合「vs Royal Standard de Liege」の模様

7月5日(水)、午後6時よりベルギー・VISEで行われた、Royal Standard de Liegeとの練習試合の模様についてお伝え致します。

この日もバスに揺られて、約50分。Royal Standard de Liegeとのトレーニングマッチの会場、ベルギー・VISEの街へと向かう。到着したスタジアムは、ピッチがすぐ目の前に見え、迫力満点の試合を見ることが出来る、サッカー観戦には文句なしの場所だ。昼間から時折、黒い雲が出て、雨を降らすなど不安定な天気が続いた1日だが、幸い試合開始前のこの時間は、青い空が広がり、ピッチで体をほぐしている選手達に厳しい西日を遠慮無く送り届けてくる。

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【結果】名古屋:1−1(前半:1−1、後半:0−0):Royal Standard de Liege
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そして、午後5時15分。ゆっくりとしたペースでウォーミングアップをスタートすると、選手達は見る見るうちに汗を額から滴らせ始める。ストレッチを交えながら、最後はボールを蹴って気合いを蓄えると、選手達はゆっくりとロッカーへ向かう。

この日は、選手入場口が両チームのベンチの間に無く、ゴール横からの入場となるが、相手選手に混じって相手チームや地元サポーターが目の前にいることもあり、騒然とした雰囲気の中で試合に入って行く。前半は左にエンドを取る名古屋のボールで試合開始。先発メンバーは、GK川島、DFは若い青山、スピラール・増川の3バック。MFは右に大森、左が本田、中は吉村と金の2人、トップ下に山口、FWは練習参加の新外国人と玉田の2トップ。今日はこの11人で、ベルギーリーグ2位の強豪・Royal Standard de Liegeに挑む。

前の試合で立ち上がりの、集中力を欠く時間帯に失点を許したため、この試合は落ち着いて入ろうとしたが、3分、左からのCKのボールを、ファーサイドにフリーで飛び込んできた、De Camargo(10)に豪快なヘディングシュートを許し、またしても相手に先制されてしまう。その後もしばらく、相手が中盤でしっかりとボールを回しながら、名古屋のゴール前へと、繰り返しサイドからのボールを放り込んで、苦しい時間が続いて行くが、この守勢を耐えきって、追加点を奪われなかったことで、次第に落ち着きが見え始める。

14分、右でボールを持った本田がタイミング良く、相手DFの高いラインの裏へとパスを入れると、左から抜け出した玉田がGKと1対1に。この場面でコースを消そうと飛び出してきたGKを上手く切り返しで交わすと、左足一閃、鋭いシュートで相手ゴールネットを揺らし、W杯でのゴールを彷彿させるような、華麗な同点弾を決める。

玉田のゴールですっかり自分達のペースを掴んだ名古屋は、相手が裏への飛び出しを意識して、あまり押し上がってくることが無くなったこともあって、名古屋がじっくりとパスを左右に回しながら、相手を引き出して、パスを前に送り込んでゆくようになる。しかし、相手DFや中盤の選手の守備への意識はしっかりとしており、簡単には前でプレイさせてはくれない。途中、水分補給のための短いブレイクを挟んで、前半は名古屋が試合のペースを握ったまま時間が過ぎてゆく。

テストで先発した新外国人も、長いオフ明けのためか、体のキレこそ重いものの、ガッチリとした体格を活かしたポストプレイで玉田や本田、金等へ良い形でボールを落として、攻撃のテンポアップに貢献する。しかし、相手も地元サポーターの前で、日本からやってきたチームにはこれ以上の失点は許すことは出来ないと、ゴール前をしっかりと固め、CKのボールも簡単に跳ね返され、エリアの近くで待ちかまえる玉田も、ボールを持った瞬間厳しく囲まれ、簡単に前を向かせてはくれない。結局、前半はそれぞれのエースによる得点で、1-1のまま終了に。

エンド入れ替わり、後半は左サイドのRoyal Standard de Liegeのボールから試合が再開する。名古屋メンバー交代:青山→中村。

前半開始直後のゴールで波に乗りたかったRoyal Standard de Liegeだが、玉田のゴールで同点に追いつかれてからは、逆に相手のペースを許してしまったこともあってか、後半は、メンバーを何人か入れ替えて攻勢を仕掛けてくるRoyal Standard de Liege。特に中盤の下がり目の位置に入った、Rapaic(11)がボールを持って前を向くと、精度の高いボールをDFの裏へと供給し始め、なかなか名古屋がボールを奪って攻め上がることが出来ない。ベンチから監督も「もっと勇気を持ってラインを上げろ!」と指示が飛ぶが、失点を恐れてか、ボールを持っても横でパスを繋ぐことはがりが目立ってしまう。

それでも中盤で金や吉村、山口等が相手選手に高い位置からプレッシャーを掛けるようになると、次第に名古屋がリズムを取り戻し始める。7分、右のスペースへ出たボールを玉田が拾うと、深く切れ込んでマイナスに折り返したボールに中央で練習生がワンタッチであわせてゴールを狙うが、これは惜しくも相手GKに阻まれてしまう。15分には、中央の金が右に流したボールを持ち込んだ中村が遠目からミドルシュートを狙ってゆくが、これはボールを押さえきれず、バーの上へ。17分、名古屋メンバー交代:玉田→津田。

20分、自陣深く右寄りの位置でのRoyal Standard de LiegeのFKの場面。Rapaic(11)が直接狙って蹴ってくるが、ここは壁でしっかりと跳ね返す。20、21分と立て続けにCKのピンチを迎えるが、DFのスピラールがこの日は冴え渡り、相手の高い打点に負けることなく、殆どのボールを弾き返すプレイを見せて、味方を鼓舞してゆく。23分、前半同様、水分補給の時間を取り、この合間に練習生と豊田が交代する。
25分、相手パスをインターセプトした増川が左から持ち上がると、相手DFの足下を狙ったスルーパスが上手く抜け、津田がこれに抜けてGKと1対1に。足下へのスライディングを上手くかわして、無人のゴールが見えるが、GKをかわした時に体勢が崩れてしまい、立て直した時にはDFが帰陣を果たしてしまい、何とかゴールを生もうと、マイナスに戻してゆく。そして、これにいち早く反応して詰めた山口のダイレクトで打ったシュートは、相手DFに阻まれてしまい、この惜しいチャンスを決める事は出来なかった。名古屋メンバー交代:吉村→藤田。

30分辺りから、Royal Standard de Liegeが力業を見せて、執拗にドリブルを仕掛けてきては、危険な位置でファウルを誘いに来る。そして、Rapaic(11)の正確なプレースキックを使ってゴールに向かってくるが、川島の気迫溢れる好セーブやスピラールの落ち着き払った安定した守備もあって、ことごとく跳ね返してゆく。ところが、36分、自陣中程やや右の位置で相手選手を無理に追い込んでカードを貰うと、これで2枚目で退場となってしまい、残り10分近くを10人で戦うことを強いられてしまう。41分、名古屋メンバー交代:金→阿部。
42分、右に持ち上がった中村からのゴール前へのボールをDFに競り勝った豊田が良い形でゴール前へ落とすが、惜しくもファウルを取られてしまう。43分には、自陣からの縦パスにタイミング良く抜け出した豊田が後ろから倒され、好位置でのFKを得る。この場面で本田が渾身の気迫を込めて狙ったボールは惜しくも右に流れてしまい、ゴールを奪うことは出来なかった。そして、後半は両チームともに決定的な場面を作りながらも決めることが出来ず、無得点のままとなり、前半の互いのゴールによる1-1で終了に。

後半だけでも、何回かチャンスを作るところを見せた名古屋だったが、相手もシーズン開幕前の時期とはいえ、リーグ2位の意地を見せて攻め立てて来たこの試合。しっかりとそれを耐えて後半を無失点で終えたことは間違いなく大きな自信になるはず。また、立ち上がりの早い時間帯での失点に対しても、すぐに取り返しに行く力も着いてきた。後はこれを自分達の形としてしっかりと体の中に刷り込んで、残り1試合を良い形で終えて、名古屋に戻りたいところだ。
<練習試合後コメント:フェルフォーセン監督>
Q:今日の試合結果については?
A:相手が4-4-2で来たため、どう対応するかがうちの課題でしたが、良くできていたと思います。前半10分〜15分は良くない部分もありましたが、それを過ぎた辺りから良くなってきたと思います。過去2試合より経験のあるチームだったと思います。特に右サイドの選手は元ベルギー代表で、イングランドやドイツでプレイしていた選手でした。セントラルミッドフィルダーの選手も経験豊富な選手でした。ただ、こういったチームを相手に同じレベルで戦えたと思います。いくつかの場面ではうちの方がポジションプレイという部分では良かったと思います。ポジションプレイはラストパスの準備の為のステップなのですが、うちはDFとMF、DFとGKの部分が多いので、今後はそれをMFとFWの中でのポジションプレイにしてゆくことが今後の課題です。全体的には90分間満足のゆく内容だったと思います。彼らにもうちにも勝つチャンスは充分あったと思います。経験豊富なチームでしたが、後半、特に終盤、3〜4回大きなチャンスが作れたと思います。数ヶ月前よりフィジカル面はすごく伸びていると思います。

Q:テストで入った新外国人については?
A:賢い選手だと思いますが、5月から長い間オフ期間だったので、今日が初めての試合でした。もう少し時間が掛かるのかな、と思いました。個人としてはやってきたと思いますが、チームとして練習をやってはいないので、後少し時間が掛かると思います。もう1試合あるので、それを見て判断したいと思います。4日練習で、2試合ゲームで見ることが出来るので、もう1度、彼にチャンスを与えたいと思います。

Q:玉田選手のゴールについては?
A:とても賢いゴールだったと思います。ダイレクトで打っていればGKに止められていたでしょうし、1対1で賢く抜いたゴールは良かったと思います。本田のパスも良かったと思います。ああいったパスは本田のクオリティーの一部と思います。